XHの恐怖……?




どうもラヴィスです。今回はPSO2から~

 先日のアップデートでアルティメットクエストだのエキストラハードだの新しい難易度が増えたわけでありまして……アルティメットクエストの方はレア掘り専門クエなのでひとまず後回しにしてエキストラハードの下見をしてきました、はい。





 今回のアップデートでは市街地奪還作戦と猛る黒曜の暴腕、そして深遠に至りし巨なる躯の3つのクエストでエキストラハードという難易度が追加されました。敵の体力も大幅にアップしかなりタフになっていますし新しいレアアイテムも増えています。これからも新難易度は他の緊急クエストでも増えていくようなので楽しみにしていきたいと思います、はい。



 さてさてここで本題、そのエクストラハードの深遠に至りし巨なる躯(以降エルダーと略)に遊びに行ったときのこと。うちの法撃職担当のルミナスさんが……

























サイコウォンド!



















サイコウォンドを拾ってきましたとさ















サイコ持ちルミナス





 結構早い段階からサイコウォンドはあったんですけどね……レア度が★12ということもあり全然出る気配もなかった代物だったのですが……こうもポロッと出てしまうと本当にビックリです。この時はドリンク効果とデイリーブーストというものが15%しかかかってない状態だったのですけどね……レアブとかなんだったんでしょ……。クエストレコードなんかも見てみるとXHともなれば結構な数出ているようですし……これからも★12以上を目にすることも増えるんでしょうね……あー怖い怖い……










 そしてそのサイコウォンドですが……★12の強化には多額の費用がかかるので今現在クラフトにお金をつぎ込んでいる私には到底強化できる余裕がありません……!ですので……

























サイコ持ちレイン














サポートパートナーに持っててもらってます!





 サポートパートナーに★12の武器を持たせるなんて非常に贅沢ですが財政上仕方ありません。レインにはこれから一層頑張ってもらうことになるのでしょうね……。

 ということで以上、初★12発掘報告でした~


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本日の更新内容

・用語集精霊界編  セルシウス 


どうも、大学祭も終わりましたがまだまだ忙しい日が続くラヴィスです。論文の和訳が終わりません……!

ということで今回は簡単に……精霊界再生編のSSで出てきた先代の氷の八理守護精霊セルシウスについてです。セルシウス失踪のお話もいつかはSSでやることになるんでしょうね……。まぁそれ以前にやることやりたいことは山積みなわけですけどね……

では今回の更新は以上!それでは頑張って論文和訳してきます!

本日の更新内容


・SS精霊界再生編 ~救世主創造~ 完結編 追記 オマケ編 


 どうも、ラヴィスです~。完結させたとはいえもう少し書きたかったので追記にオマケ編を追加しておきました……

 と、いうことでこのブログも2周年ですよ!ビックリです!この先ものんびりまったり続けていければなーと思います、はい。

 しかし今回のこのSS編書いたことで他にもどんどんやりたいことが増えて……この先の更新が大変なことになりそうです、はい。しかし今週は大学祭で超多忙なんで次回の更新は恐らく簡単なものになってしまうかと……。

 では今回の更新は以上!これからも当ブログをよろしくお願いしますね~

ブログ開設2周年記念特別SS 精霊界再生編 ~救世主創造~ 完結編

(今回も最初と最後の方に少々過激な表現が含まれます……)







































「…………」

 男は放心状態だった。目の前で起こった光景は当然予測もつかないことであったのは確かであったがそれ以上にその凄惨な光景は男の心に深い傷を負わせるには十分すぎた。今この場に残っているものは叫び声にも取れる赤子の産声と彼の愛したフェリアの“残骸”とまで言われてしまいそうなほどの無残な姿だけであった。

「…………」

 フェリアの体はほぼ全体が黒く変色してしまい生きていた時の美しさは見る影もなかった。少し視線をずらしただけで骨や内臓が見えてしまいそうでとてもではないが体は見てあげられなかった。

「フェリア……」

 顔を見ると顔だけはまだ綺麗なままであった。しかしその顔も苦痛に耐え抜いていたその表情のままであり見ているとどんどん辛くなってきた。そして男は子どもの方へと目を向ける。フェリアの血で赤く汚れていたが元気に産声を上げている。ただ周りがどういう状況になっているのかは全く分かっていないのだろう。まだへその緒がついたままであるがその先をたどった先にあるものは……。

「……」

 男は剣で役目を終えたへその緒を斬った。そしてそのまましばらく佇んでいた。ふとフェリアの方を見るとへその緒が斬られたことでフェリア自身も役目を終えたということなのか、朽ちた体はやがて煙のようになって消えていった。

「…………せいか……」

 しばらくそのまま時間が流れていたが男がそうぽつりと漏らした。

「……お前ができたからフェリアの体は朽ちて死んだのか……」

 男は剣を構えた。今度の狙いは声をあげるのに疲れて眠っている赤子だった。

「……お前さえ産まれなければっ!!」

 そして赤子に向かって剣を振り下ろそうとした。

(やめてっ!!)

「!!」

 しかしその時男の耳に死んだはずのフェリアの声が聞こえたような気がした。

「…………」

 その後も何度も剣を振り下ろそうとしたものの結局男は剣を振り下ろすことはできなかった。フェリアと過ごした幸せだった日々のことがどんどん蘇ってきていた。子どもができたことをフェリアは何よりも喜んでおり、それと同時になんとしてでも生みたいという強い思いも伝わっていた。苦しい思いをして結果命を落してまで産んだこの命を斬り捨てては死んだフェリアが悲しむだろう。しかし愛する者を奪った赤子に対する憎しみはどうしても消えない。さらに蘇ったフェリアとの思い出がどんどんと男の心を締め付けていく。

「……フェリア……すまない……」

 男は剣をしまうと赤子を抱きかかえて外へと向かった。そのまま森の中を進んでいく。 

「……この子を俺は許せない……だから……」

 その途中に大きな切り株があった。男が燃料の薪を切り出すために倒した木のものである。その切り株にそっと赤子を寝かせた。

「……これで……」

 そして赤子を置き去りにして立ち去っていった。



「…………!!」

 精霊界氷の精霊管轄区の中枢である蒼の神殿、そこでセルシウスはフェリアの死を悟っていた。というのも八理守護精霊は精霊界女王と契約を行っているのだがその契約は八理守護精霊側から破棄することはできず、契約者である精霊界女王の決定もしくは精霊界女王の消滅によってのみ契約は解消される。そしてたった今フェリアとセルシウスの間に結ばれていた契約は解消された。負の気の影響ですっかり衰弱していたフェリアの姿を見ていたセルシウスはすぐにフェリアが負の気により亡くなったものだと分かった。

「……フェリア様……」

 セルシウスは静かにフェリアの冥福を祈った。

「……最期の姿……見届けられるだろうか……」

 そしてネールにフェリアが亡くなったという報告をするための資料集めという意味も込めて顕界へと向かった。



「……フェリア様が亡くなったのはやはり間違いない……体も消滅した後だったか……」

 セルシウスは物陰から男の家の中を見回していた。見える範囲でフェリアの姿はなかったものの部屋の中は血に汚れておりフェリアが最期にどうなったのかはそれで容易に想像がついた。

「……男はいないな……森の方だろうか……?」

 そう言って今度は森の方に向かった。木々の隙間を縫うように進んでいくと丁度森の奥から男が戻ってきたのが見えた。

(……手ぶらで森の中へ……?何かを持っていったと見るべきか……)

 その様子に不自然なものを感じたセルシウスは男が来た方向へとさらに進んでいった。着いた場所は薪を切り出す作業場。その切り株の上には血に汚れた赤子が置き去りにされていた。

「フェリア様の子を……!!」

 セルシウスは赤子を抱き上げた。ぐっすりと寝ていた様子の赤子の体についていた血はもうすっかり乾いていた。

「…………育児放棄……か、ならば……」

 そのままセルシウスはその場を立ち去っていった。切り株には氷の結晶が刺さっていた。



「……フェリア様との契約が解消されました。確認したところ人間の世界にてフェリア様が亡くなられていたことも確認しました」

「……分かりました、では私が第9代の女王となるのですね」

「……そうですね」

 セルシウスは精霊界に戻りネールに報告をしていた。本来であればエンジェルティアの探りも入れてくる予定であったものの、育児放棄されたフェリアの子を回収したために少々予定が狂ってしまったが考えようによってはエンジェルティアよりも大事なものの回収ができたのは大変良かったのかもしれない。

「他の八理守護精霊たちにも今から集まるように伝えて下さい」

「はっ……」

 その後ネールの女王就任についての打ち合わせが行われた。

「……エメローネ、話がある」

「セルシウス……どうかしましたか?」

 打ち合わせが終わり解散となった後セルシウスはエメローネに声をかけた。

「……後で蒼の神殿まで来て欲しい」

「……?分かりました」

 この時はまだ話の重大さがエメローネには伝わっていなかった。



「……!?この子が……!?」

「……ああ、フェリア様と人間との間に産まれた子どもだ」

 セルシウスが抱えている赤子を覗き込んでいたエメローネは驚きの表情を隠せなかった。

「……だがいつまでも私が育ててあげる訳にもいかないだろう、人間との関わりが多いエメローネなら引き取ってくれる人を見つけらるのではないかと思ってな」

「……いいのですか?精霊界の後継者のような存在ですよ?」

「……このまま精霊界で育ててしまえば結局は同じだろう……人間の世界で育つことで我々精霊が持たない力を……精霊界を救う力を身に付ける……そう思うのだ」

「……なるほど、それは分かる気がします。では人間の世界の頼れるお方に交渉をしようと思います……」

「頼んだ……」

 セルシウスはエメローネに里親探しを依頼した。精霊界の未来を担うであろう存在が立派に育ってくれることを願って……






「……あたしが産まれるまでに……そして産まれた直後にそんなことがあったんだね……」

「はい……セルシウスさんがすぐに来てくれて助かりました……」

 ここまでの話を聞いたネレイスが口を開いた。未だにショックが隠せないようである。

「…………」

「……ネレイスさん、どれくらいの頃からの記憶はありますか?」

「……んー……1人で世界をふらついててそこでエンジェルティアを譲り受けた辺り……かなぁ」

「……あの辺りですか……」

 そうしてノエルは再び語りだした。





 ネレイスがエンジェルティアと出合ったのは15才くらいの頃であった。それまでにもネレイスは過酷な過去を乗り越えてきた。1才になる頃にエメローネが探し出してくれた里親の下に引き取られ可愛がってもらえたのだが、その里親はネレイスが2才になる頃に病気で亡くなってしまった。引き取ってくれたその友人もその翌年に事故で亡くなってしまった。身寄りがなくなってしまったネレイスは孤児院へと入れられることになるが、彼女を育ててくれていた2人の親が相次いで亡くなったことから“呪いの子”として忌み嫌われることとなりいじめられることが多かったという。孤児院の先生はその姿を見かねて幾度と無くネレイスを守ってあげていたのだがその先生もやがて不慮の事故で亡くなってしまった。さらにネレイスをいじめていた子供までもが事故で亡くなり評判は一気に低下、やがてその孤児院は閉鎖へと追い込まれてしまいネレイスは再び外に放り出されることとなった。
 そのネレイスを今度は旅の商人一座が拾った。ネレイスを大事にしてくれその時護衛の傭兵が振っていた剣を見てネレイスも剣に興味を持ち始めていったのだった。試しに握らせてもらったところすぐにその才能を認められその傭兵の元でたびたび剣の練習を続けてきた。しかし恵まれた環境に置かれていたのもつかの間売るものに困った商人たちはネレイスを売りに出すことになった。女の幼子ということで高値で売れたネレイスは最後よくしてくれた傭兵に“もしまた1人になったら傭兵として剣の腕を頼りに生きろ、お前の才能なら必ずやっていける”と言葉をかけてもらった。結果ネレイスをこき使った主が病気で亡くなった後にネレイスはまだ弱冠10才でありながら剣を手にし世界を点々とするようになったのだった。

「……久しぶりに街に着いたぁ……」

 各地を点々とする生活が続いておよそ5年、旅の傭兵が見抜いた才能を開花させたネレイスは幼いながらもちらほらと評判に上がるほどの活躍を見せており、傭兵生活にも大分慣れてきたころであった。商工業で賑わっているこの街は久々の補給拠点であり、早速次の町や仕事場へ向かうために必要な食料等を買い揃えていた。

「シャワーも浴びたいしベッドでも寝たいし……久々にゆっくりしよう」

 ネレイスは街中を歩き今日休む宿を探していた。すると横から急に声をかけられた。

「……お、そこの嬢ちゃん、ちょいといいかい?」

「……あたし?」

 声の主は40代くらいの気の良さそうな武器商人だった。

「そうそう、随分小さいのに立派な剣背負って旅の剣士かい?」

「……そんなとこです」

「見たところまだ10代中ごろだってのに1人で旅をしてるだなんて相当の腕があるんじゃないかい?」

 商人もまたネレイスの才能を見抜いていたようである。

「……おじさんも相当腕が立つんじゃないの?」

 したり顔の商人にネレイスはそう言い返した。言い返された商人は一瞬きょとんとした顔をしたがすぐにケタケタ笑い出した。

「はっはっはっはっは……嬢ちゃん面白いことをいってくれるじゃないか、気に入ったよ」

「……大方この剣がそろそろ変え時だっていうことが分かって声をかけたんじゃないの?」

 自分の得物は傭兵にとって自分の命を預ける大事な存在である。ネレイスがこれまで使ってきた剣は世界を渡り歩く際に入手したものでありこれまでずっと使い続けてきたものであったが、これまでちゃんと手入れを続けていたもののいよいよ限界が近いことを感じていた。

「……話が早いじゃないか、じゃあ来いよ、嬢ちゃんに合った剣をゆっくり探すといいさ」

 商人のその言葉に従いネレイスは近くにあった大きな武器屋へと連れていかれた。その武器屋は剣や槍、斧といった近接武器だけでなく弓矢のような遠距離武器、さらには大砲や設置式の射出弓、さらには投石器といった大型のものまで置かれていた。

「……見たことのない武器まで置いてある……」

「そうだな……施設用の装備はそんな目にすることもないだろうしな」

 店の中を進み剣を取り揃えた場所へとやってきた。ダガーのような短剣からネレイスが普段使っている長剣、そして両手で扱う大剣まで多種多様な剣が並べられていた。早速ネレイスは1本の長剣を手に取り軽く振ってみる。

「……んー……ちょっと軽いかなぁ……」

「……ふむ、君は只者じゃないな。その立ち回りと剣の振り……これまで見たことないな」

 その後しばらく商人に様々な剣を薦められて試し振りを繰り返していったが、その中で1本の剣が目に入った。

「……あの剣は何……?」

 棚の上に綺麗なケースに入れて飾ってあったその剣は透き通った蒼いガラスのような色をしていた。

「……ああ、あれか?ただの飾り物だよ」

「……あの剣って振れるの?」

「……あんまりおススメはしないぜ?」

 商人はあまり気分のいい顔をしなかったがその剣をネレイスに渡した。

「…………」

 ネレイスがその剣を握ると淡く光りだした。その様子にネレイスも商人も驚いていた。

「……え……何……?何が起きてるの……?」

「……なるほど、そういうことか」

「……この剣何なの?」

「……何かの宝剣だと思ってるんだが詳しいことはさっぱり分からない……ただ言えることはこれまでこの剣を気に入って買ってった数日後には何故かこの店に戻ってくるってことだけさ、そういう気味の悪い剣さ」

 商人が忌々しそうに言ったこの剣こそが精霊界の至宝、エンジェルティアであった。フェリアが持ち出したエンジェルティアはフェリア亡き後男の家から見つかっていたがやはりフェリアのことを思い出すということから放棄されていた。それが巡り巡ってこの商人の下に流れ着きネレイスが来るのを待っていたようである。

「……淡く光ってるけど……」

「要するに“嬢ちゃんこそがその剣を持つのに相応しい”ってことだろうよ。持ってけよ」

「お金は……?」

「その剣に関してはお代はいらねぇよ」

「……ありがと、でも折角だから一番感触のよかったこの剣をちょうだい、これはお金払うよ」

「そうか、ありがとな」

 持ち主が現れたことでようやく厄介払いができると思った商人はエンジェルティアをネレイスにタダで譲った。こうして精霊界の救世主となる存在に精霊界再生の鍵となる剣が渡ったのであった。





「……そしてあたしは精霊界に導かれ……あたしが精霊界の王女だってなって……精霊たちと会って……それから……」

「…………」

「……ラヴィスたちと会った……」





 精霊界の王女と伝えられ精霊界のために力を尽くす決意をしてから数年後のことであった。八理守護精霊たちに挨拶をし精霊界女王になるための資質を身に付けるために各地を回っている最中立ち寄った森林地帯でのことだった。エンジェルティアを握ったことでネレイスの精霊としての力は増したと同時に代々精霊界女王にかけられていた負の気の呪い、これが発症しネレイスの体を蝕み始めていた。負の気を抑えるためには正の気で打ち消す必要があるのだが、こういった自然の多いところは正の気が多く放出されやすい。そのためネレイスはこの森で正の気を浴びて休憩を図るためにやってきていた。

「……精霊界女王になるには……超えなきゃいけないんだろうなぁ……これ……」

 ネレイスは木陰に腰掛けて疲れを取っていた。エンジェルティアと出会い精霊界に招待されてから感じるようになった不調感にも大分慣れてきており、こうした休憩方法もよく分かってきていた。

「……んー……でも今回のは結構きいついなぁ……」

 しかし今回の不調はいつもより酷かった。急に目の前がゆがみ立っているのも大変なほどのめまいが襲っていたのだった。正の気を浴びてもしばらくはまだ動くには厳しかった。

「……しばらくはここで休まないとなぁ……」

 急いでいるわけでもなかったのでネレイスはここでゆっくり休みを取っていた。しかしそのネレイスが発する負の気は魔物を呼び寄せるという効果があった。そしてこの時もネレイスの負の気に誘われた存在が近づいていた。

「……うわぁ……ツイてないなぁ……」

 その存在にネレイスも気付いた。明らかにネレイスよりも大きい極彩色のオオトカゲがゆっくりとネレイスの方めがけて近づいてきていた。感づかれないようにネレイスはゆっくりとその場を後にしたが負の気をたどってやってきたトカゲには当然効果があるわけもなくすぐにネレイスをかぎつけゆっくりと迫ってきていた。

「……仕方ない、戦うかぁ」

 ネレイスはエンジェルティアを抜き迎撃体制に入った。視界は歪み極彩色の体色がチカチカしてあまり万全な体調ではではなかったもののネレイスはこういう状態の中で何度も戦わざるを得ないことがありその点では慣れていた。迫るトカゲに刃を突き立てたが表皮は意外と硬くわずかな傷しか作ることができなかった。

「硬いなぁ……やっぱり腹を狙わないとダメかぁ……」

 すぐにネレイスはトカゲの体を借りてロンダートからのバック宙を決めて背後をとり距離を取った。ネレイスは精霊の血を引いてることもあり身体能力は普通の人間よりも遥かに高く、華麗な動きで戦えることが持ち味である。着地後足と足の間の脇腹を狙って切り込むがトカゲも反応し後足でネレイスを蹴り飛ばした。

「……っと」

 吹き飛ばされてから体勢を立て直すのもネレイスは得意であり、空中ですぐにバランスを取り直すと木を蹴って着地した。

「……この状態であんまりやりたくないんだけどなぁ……」

 ネレイスの目つきが鋭くなった。構えを変えると素早く正面から切り込んでいく。トカゲも当然のように前足で払いのけようとしてきたがその瞬間にネレイスは素早く飛びのき払いのけた後の足の付け根付近を狙って鋭く切り上げた。ネレイスはフェイントやカウンターといった技が得意で相手の動きを冷静に見切って致命的な一撃をお見舞いすることでここまで幾多の相手をねじ伏せてきた。これもネレイスのもつ精霊の血が成せる技であった。

「……あっ!」

 しかし今回は少し違った。歪む視界とチカチカする体色のせいでネレイスの狙いは少しずれており振り上げた剣が硬い表皮に当たって弾かれてしまい、それによってネレイスの体勢は大きく崩れてしまった。直後トカゲは体をぶつけてきたがネレイスはなんとか飛びのいたが普段のネレイスではまずない着地の乱れで再び体勢が崩れてしまう。

「わわ……っっ!!」

 そこにトカゲが前足を振り払ってきておりネレイスは避けることができずエンジェルティアで受け止めようとした。しかし体勢を崩した状態でありさらに重い一撃だったことからネレイスのエンジェルティアは大きく弾き飛ばされてしまった。そしてそのままのしかかられてしまい身動きを封じられてしまった。

「うぅ……重い……って嘘……!」

 トカゲの方をを向きなおしたネレイスが見た光景は大口を開けたトカゲが迫ってくるところであった。身動きできなかったネレイスは肩の辺りまでくわえ込まれてしまう。 

「んむっ!んん!!」

 ネレイスは必死に抵抗するが武器を失ったネレイスにはどうすることもできず腰の辺りまでくわえられてしまった。くわえたネレイスをトカゲはまるで飴玉をなめてるかのようにベロベロと執拗になめ回していった。後にわかることになるのだがネレイスの放つ負の気は魔物にとってこれ以上ないほどの格別なご馳走であったのだ。その負の気を味わうようにネレイスをなめ続けそれによりネレイスはどんどんと体力を奪われてしまい最終的にはぐったりとしてしまった。抵抗できなくなったネレイスはそのまま足先までくわえられ口の中でも散々になめ回され味わわれた後ゆっくりと飲み込まれていった。





「……結構深い森だな……」

「でも目的の湖に先回りするのならこの森を突っ切るしかないですからね……」

 ラヴィスとルミナスは森の中を駆け抜けていた。将軍たちの本隊を離れ別働隊として先行し次の休憩地となる湖の安全確認を任されていたのである。本体は森を迂回するルートを取っていたがどうやら交戦状態に入っているらしい。この調子でいけば時間は十分に余るだろう。

「……流石にこの森には誰も陣取ってないようだな」

「そうですね……流石にこんなところに兵を配置するなんて考えませんからね」

 幸い邪魔する存在も無くラヴィスたちは順調に森の中を突き進むことができていた。その時であった

「きゃぁぁっ!!」

「……!?」

 ラヴィスの耳に女性の悲鳴が聞こえた気がした。

「今女の悲鳴が聞こえた気がしたんだが……」

「え?私には聞こえませんでしたよ?」

 しかしルミナスには聞こえていなかったという。ルミナスはその時から聖女の加護を受けており耳もラヴィスよりは格段によくなってたのである。そのルミナスが聞こえていないと言うのだからほぼ空耳であるのは間違いないのかもしれない。

「……いや、間違いはない。あっちの方だ」

 しかしラヴィスはその声がどうしても空耳であったとは思えなかった。ルミナスを置き去りにしラヴィスは森の奥へと入っていく。突然のことでルミナスは驚いて立ち尽くしてしまったがラヴィスが心配だったのでその後を追いかけた。

「…………ん?何だこの剣は……」

 ラヴィスが走っていった先には透き通った蒼い剣――主を失ったエンジェルティアが転がっていた。

「この近くに何かいるんだろうな……」

 ラヴィスはさらに奥の方へと向かった。その先でラヴィスはあるものを見つけた。森の奥の方へ向かってのしのしと歩いていく大きなトカゲがいたのだがそのお腹は引きずるまでに大きかった。恐らくあの中に……

「……まぁここまで来たら生きてるかどうかは抜きにして外に出してやるか」

 ラヴィスはそのトカゲに斬りかかった。しかしラヴィスの剣は硬い表皮に弾かれてしまう。

「くそ……」

 攻撃されたトカゲは応戦する意志がないように逃げようとする。しかしお腹が大きく重いせいかあまり早く走れていない。

「逃がさねぇぞ!」

 ラヴィスはすぐに追いかけてい大きな腹を狙って剣を振りぬいた。その攻撃はクリーンヒットはしなかったものの脇腹に大きな傷をつけることができた。

「くそ……上手く当たらなかった……ん?」

 しかしそれでもトカゲは足を止めずに逃げていたのだが、その途中何のことはないただの木の根に躓いて転んでしまい横になってしまった。得物を飲み込み重くなったお腹のせいで木の根を跳び越すこともできなかったのだろう。その隙をラヴィスは逃さなかった。

「もらった!」

 軟らかいお腹をラヴィスは一閃して切り開き、そのまま喉元も切り裂き息の根を止めた。

「……さて」

 息の根が止まったのを確認するとラヴィスはトカゲの腹の中を確認した。切り裂いたお腹から赤く染まった人の手のようなものが覗いていた。

「……まだ大丈夫そうかな……」

 ラヴィスはトカゲの胃袋を切り開いて中からネレイスを引きずり出した。全身胃液を浴び服はボロボロで体も血で染まっており意識はなかったが既に死んでいるわけではなさそうであった。

「……それにこいつ治癒能力を持っている……?」

 というのもネレイスの体はわずかにであったが少しずつ回復していた。これもネレイスが精霊故に持つ能力……ではなくネレイス固有の能力である癒しの気によるものであった。

「ラヴィス様……!!その人は!?」

 そこにルミナスが追いついてきた。血まみれのネレイスを見てかなり驚いている。

「……危うく栄養になるとこだったやつだ。まだ息は残ってるようだし回復魔法でもかけてやってくれ」

「はい……でも本当に女の人の悲鳴がしていただなんて……」

 回復魔法をかけてあげているルミナスは複雑な表情をしていた。耳には自信を持っていたのに悲鳴を聞き逃したのはかなりのショックだったようだ。

「まぁいいや、とりあえず運んでやるか」

「はい……」

 ラヴィスはネレイスを背負ってルミナスと共に森を抜けていった。





「…………ん……」

 ネレイスが目を覚ますとそこは湖の畔だった。綺麗な花も咲いていてまるで天国のような雰囲気だった。

「……あのままあたし死んじゃったんだ……やっぱりあたし……精霊界の女王になんてなる資格なかったんだ……」

「……あ、よかった……目、覚ましたのですね?」

 落ち込んでいた様子のネレイスにルミナスは声をかけた。その背中には立派な光の羽が生えている。

「あ……天使……?初めて見た……」

「体は大丈夫ですか?」

「うん……それより……ここって天国ってとこ?」

「……ふふふ、違いますよ」

「え……?」

 ネレイスがきょとんとした顔でルミナスを見ていた。

「……ここはフォルティアの湖。ちゃんとしたこの世、あなたは生きているのよ」

「え……でもあたし……大きなトカゲに食べられちゃって……」

「ふふ、ラヴィス様が貴女の悲鳴に気付かなかったら助からなかったでしょうね……」

「……ん、起きたのか」

 まだ困惑しているネレイスの後ろからラヴィスがやってきた。

「……貴方が……あたしを助けてくれたの?」

「……ああ、お前の悲鳴が聞こえた気がしたからな」

「え……あたし悲鳴なんてあげる間も無く……」

 ネレイス自身周りに聞こえるような声で悲鳴をあげた覚えはなかった。自分でも気付かないうちにあげていたのかそれとも……

「……ま、何にせよ人1人無事だったからよかったよかった」

「あ……あの……」

「ん?」

「助けてくれてありがと……」

「何、気にするな」

 こうしてネレイスは偶然にも通りかかっていたラヴィスによって救われその恩を返すという意味も含めて一緒に将軍の下で戦うことになったのであった。そこで数々の経験を積み、精霊界の女王になる者として成長を続けていったのである。










「……そしてあたしはラヴィスたちの力も借りて精霊界再生を成し遂げた……」

「そうですね……」

「それも全部……ノエル様がそうなるように仕組んであったってこと?」

「はい……」

「…………」

 ネレイスも気持ちの整理がついていないのかその後しばらく黙り込んでしまった。そのネレイスに追い討ちをかけるかのようにノエルは続ける。

「……産まれたネレイスさんが捨てられた時にセルシウスが来てくれたのも、その後貴女を拾ってくれた方々を選んだのも……そして偶然近くにいたラヴィスさんに貴女の声の悲鳴を聞かせたのも全部私が仕組んだものです。貴女を精霊界女王にするためにまだ死なせるわけにはいかなかったから……」

「…………」

「貴女の運命は全部私の思惑通りになるように変えさせて頂きました」

「…………」

「……私の思惑通りに貴女は精霊界の救世主として精霊界再生を成し遂げてくれました。……貴女の負の気の呪いが解けなかったのは……私の思惑通りではありませんでしたが」

「……ノエル様」

 次第に自虐するような口調で喋りだしていったノエルにネレイスは重かった口を開けた。

「……もしあたしが何の邪魔も無く生きていけたら……運命を変えることなんてなかったの?」

「……そうですね、本当はそうであって欲しかったのですが……」

「そっか、じゃあ……」

 ノエルの言葉を聞いたネレイスは心なしか表情を緩めた。そして

「……だったらあたしノエル様に感謝しないとね、……ありがと、ノエル様」

 ニコッとしてノエルに感謝の言葉を述べた。

「え……え……?」

 その予想外の言葉に今度はノエルが困惑した。

「……あたしの運命を変えに変えてった結果……あたしはラヴィスに会えたってことでしょ?ラヴィスと出会えた後将軍様たちと一緒に旅した日々すっごい幸せだったんだから……」

「……そう……ですか……」

 ラヴィスと会った以降実はノエルがネレイスの運命を変えることはなくなった。勿論ラヴィスたちが将来協力してくれる存在になってくれるからというのもあったかもしれないが何よりネレイスに降りかかった命の危機をラヴィスや将軍たちが未然に防いでくれていたというのもあった。

「……今だってあたしは幸せだよ。精霊界のみんなのためになれてるし……これからもラヴィスたちと一緒にいられるんだもん。精霊界女王になるようにしてくれなかったらラヴィスたちには会えなかったかもしれない、ラヴィスたちに会えてあたしはとっても幸せなんだから……幸せにしてくれたお礼くらいはしてあげないと」

「……う……ぅぅ……」

 ネレイスの言葉にもうノエルは我慢できなくて涙が溢れてきた。

「……ノエル様も辛かったんだね……」

「……はぃ……」

「……もう苦しまなくていいんだよ、あたしはノエル様のために創られて結果幸せだって感じてる。……だからさ、その恩返しにあたしがノエル様を幸せにしてあげる。……ノエル様に創られた存在として当然のこと……だよね?」

「ネレイスさんっっ……!!」

 ノエルはネレイスに抱きつき憚ることなく涙を流した。そのノエルをネレイスはしっかりと抱きしめて慰めてあげている。

「あはは……なんかノエル様に泣きつかれるなんて変な感じ……」

 その後ノエルは数時間にわたりネレイスに泣きついていた。“創造主”が感じついに克服することのできなかった孤独と苦悩、それから開放されたノエルはネレイスを心の支えとし、ネレイスを創り出した存在としてネレイスを全面サポートする一方で神界を取り仕切るような存在として苦悩する心の負担を和らげてもらう友達のような存在として大事にすることを固く約束するのであった。





精霊界再生編 ~救世主創造~ 完






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Author:ラヴィス
パソコン使えないくせにブログに手を出した愚か者。
……温かい目で見てもらえるとうれしいです。

毎週月曜に大小の違いはあれど更新中です。

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