スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブログ開設4周年記念特別SS SSs(ショートストーリーズ) ノエル編 ~初陣~


「ラヴィス様っ!別の世界にて再び強力な反応を確認っ……!そちらも迎撃をお願いしますぅ……!」

「こっちも今交戦中だ、手は空いてない。それとラヴィス"様"で呼ぶな。というかお前は誰だ?」

 顕界で交戦中のラヴィスの所へ通信が入った。魔物の出現を確認し出撃要請をする仕事の連絡であったが正直もううんざりとしていた。先程から次から次に出撃要請がかかり、もう既に出撃できるメンバーはみな戦闘に駆り出されていた。この状況で新たに仕事の依頼を出されてもどうしようもなかった。

「すっ……すみません……!私観測所の上級管制官ですぅ……!ミーナ様もフィア様も出撃なさって観測所の指揮をとる人がいなくなっちゃったんで私が代理でやってるんですよぉ……!」

「……そんなあたふたして本当に上級管制官か?ミーナやフィアが見たら……」

「あわわわ……やめてくださいぃ!こんな状態見られたら降格処分ですよぉ!」

 連絡を入れてきた観測所も既に手一杯の状態であることはすぐに分かった。魔物の発生は基本的には散発的に起こるものであったが、時折何かをきっかけに大量発生が起こることはこれまでにもあったことである。しかしここまで大規模な発生はこれまでに例がなかった。

「……うう……かくなる上は私が剣を持って……」

「……素人が相手にできる敵ではない。お前は大人しくそこで精一杯指揮をとってろ……」

「は……はいぃ……!」

 そう言って通信は途絶えた。少々観測所の体制に不安を感じたものの今は目の間にいる魔物の相手をしなくてはならない。

「……ねぇラヴィス、次が出たんだって?」

「ネレイス、片付いたのか?」

「なんとかね……」

 今度はネレイスからの通信が入った。SkyBlue1の働き者である彼女は真っ先に出撃をしていって既に何十体もの魔物を倒してきていた。そして今も先程連絡の入った依頼を受け出撃しようとしていた。

「……無理はするなよ。正直お前が一番頼りになるんだからな」

「大丈夫……ラヴィスも大分頑張ってるみたいだしまだまだ頑張れるよ」

「そうか……じゃあ頼むぞ」

「ラヴィスさーん!また出ましたよぉ……」 

「……泣き言言うな」

 ネレイスの通信に割り込むような形で再び観測所からの通信が入った。管制官はもうすでにいっぱいいっぱいのようであった。

「……うぅぅ……私もうダメです……管制官クビです……」

「あぁもう鬱陶しい!おいお前、観測所の今の様子を教えろ!」

「うう……私たちの何倍も働けるミーナ様とフィア様を欠いて今の観測所のメンバーでは多発する魔物発生の情報処理が追い付きません……もうみんなパニックで私なんかが統率を取ろうとしてもできませんよぉ……!」

「……全く……仕方ない、我が逐一情報を受ける。お前はもう通信を切るな。そして来た魔物の発生は報告を来たやつから順に報告しろ。人の派遣は我がやっておく」

「すみませぇん……助かりますぅ……」

 ラヴィスは自身の負担が大きくなるのを承知で管制官の仕事を一部引き受けることにした。若干疑っていたが、上級管制官と言うだけあり泣きごとは言っているが観測所内の状況報告はしっかりできているあたりその能力はちゃんとあるのだろう。自らの能力にあった仕事をすればしっかりとその力を発揮できるだろう。

「えっと……新着報告は……3件ですよぉ」

「……増えてないか?」

「増えてますね……」

 こうしている間にも魔物の出現報告は増えてきていた。一方で対処できる人間の数は変わらない。そうなればもう1人1人がもっと手早く相手をしていく必要があるだろう。

「……とりあえずまずはこいつを相手にする。報告は少し待て」

「了解です!」

 少しばかり自信を取り戻したのか管制官の覇気のある声にラヴィスは安心し正面の魔物に向かっていった。ラヴィスほどの腕があればそれなりに力のある魔物であっても倒す事には苦労しなかった。

「……よし、次に向かう。状況はどうだ?」

「……新着報告は……もう10件になってますよぉ……!」

「……ち……属性等の情報はどうだ?」

「……特別傾向はありません……ただ……種別的には獣種が多いみたいですよ……」

 管制官から送られてきたデータを見ると確かに獣系の魔物が多いように見えた。

「……そうだな、狼や兎な足は速いが体力はない……その辺りは我が全部引き受ける。有翼系は全部ネレイスに回す。あとは先程片が付いたと報告があった将軍に行かせる」

「分かりました」

 素早く現在の報告に対して状況整理をし、出撃する者を決めた所でラヴィスは次なる標的に向け出発しようとした。

「……待って下さい」

「……ん?何だ?」

「……観測所に別回線で通信が……えっ……そんな……!?」

「……どうした?」

「……の……ノエル様から通信です!」

「ノエル様からだと!?」

 どうやら苦戦しているという報告を聞き心配になったのであろう。SkyBlueの雇い主とも言える神界の代表者ノエルが直々に連絡を入れてきたようである。

「ラヴィスさんを呼んでますが……繋ぎますか?」

「ああ……」

 これまでなかった事態にラヴィスも少々動揺していた。ノエルの人柄はそれなりに理解しており、この場で“もう少ししっかりしなさい”だの“何をやっているのですか”だのといった叱咤をするためのものではなく単純に“無理はしないで下さいね”という心配の声を届けにきたのだろうと思っていた。

「ラヴィスさん……大丈夫ですか?」

「大丈夫です……これくらいまだまだ……」

「……無理はしないで下さい……もうみなさんは大分頑張って戦って下さいました」

「……だがまだまだ魔物の発生報告は止んでいません。我々はまだまだ頑張らなければなりません」

 ノエルの心配に大丈夫だと答えるここまではラヴィスが予想した通りの展開であった。

「……ですが私も皆さんの無事を祈るばかりではいられません……私も出撃します」

「……は?」

 しかしノエルのこの言葉は完全にラヴィスの想定外であった。

「……私だって……戦えるんですから……」

「ノエル様……」

 基本的に神界宮殿内で過ごしているノエルは一見華奢な体で到底戦えるようには思えないが、SkyBlueメンバーはノエルが十分戦えるということを把握していた。ノエルの内にはノエル本人が自覚していない大いなる力――神秤テミスがあり、それを無意識のうちに行使することによって攻守ともに圧倒的な力を示す事ができるのである。その力をちょっとした遊びの場で見せつけられたSkyBlueメンバーは大いに驚きその力を認めていたのだが、まだ実戦でその力を行使したことはなかったのである。

「……申し訳ありません。ノエル様の出撃許可を我が出す訳にはいきません」

「!?……どうしてですか?」

「……ネレイスに聞いて下さい。ノエル様のことを一番よく分かっていらっしゃるのはネレイスですから」

「ネレイスさん……私も戦います!」

「……1人で戦わせるのはちょっと心配だけど……この状況で人手が欲しいのは明らかだもん……無理はしないでね」

 通信を聞いていたネレイスもかなり心配をしているようであったが今のノエルの熱意を止めることはできなさそうだと感じていたのかついにノエルの出撃を許可したのだった。

「……ラヴィスさん。私に出撃先の指示をお願いします」

「え……我が指示を出すのか……!?」

「……今私はSkyBlueの1メンバーです。代表であるラヴィスさんの指示に従います」

「……少々気が引けるのだが……承知しました」

 成り行き上ラヴィスは雇い主を指揮するという事態に困惑していたが早速ノエルにお手並み拝見として仕事を依頼した。

「では……出撃します!」

 こうしてSkyBlueの雇い主ノエルは初陣へと向かっていった。





「……い……いよいよですね……」

 ノエルは任地へと到着した。目の前にはいかにも獰猛そうな赤い毛色をした熊がじっとこちらを睨みつけていた。

「……わ……私が相手になりますよぉ!」

 早速ノエルは構えを取った。しかしその手に武器はない。体にも特別武器や防具のようなものがついているわけでもなく、魔法を詠唱しているわけでもない。完全に生身の状態で自分の体よりも大きい熊と格闘をしようとしている風に見えた。傍から見れば無謀であることに間違いはない。そのノエルに向かって熊は容赦なく近づいていき鋭い爪を伸ばした太い腕を振りおろしてきた。

「……っっ……お仕置きキックですよぉ!」

 その腕目がけてノエルは軽く飛び上がりながらくるりと体をひねりそこから回し蹴りを放った。その足先が熊の腕に触れたその瞬間だけまばゆい光が発せられるとその瞬間に熊の腕はいとも簡単に吹き飛んでいた。片腕をもがれた熊は苦悶と怨嗟の声を上げながら睨みつけていた。その腕からは赤黒い血がどくどくと溢れ出続けている。

「ひっ……」

 ノエルにとってはこういった光景を見るのも初めてだった。ここは戦場。命の奪い合いをする場である。これまで自分の立ったことのない、立つことのない場所であっただけにだんだんと体が震え始めてきていた。その震えは次第に大きくなっていく。

「……これが……実戦……皆さんは……いつもこんな場所で……」

 震えの止まらない体を必死に落ち着かせようとしていたが一向に止まることはなかった。体も高揚しているためとはまた違う熱さを感じていた。ノエルは神秤テミスの力を御しているわけではなく、力に振りまわされているような状態である。そのためその力が暴走し、体が過熱状態に陥ってしまう症状がよく起こっていた。その予兆とも思える状態にノエルは入ってしまったようである。

「……もう今更……引っ込むこともできません……やるしか……!」

 震えて多少言うことをきかない体を無理にでも動かし再び構えを取った。放っておいてもいずれ息絶えるのはノエルにも分かっていた。しかし今は速やかに次の標的を倒しに行かなくてはならない状況であり、それに見るからに苦しそうな状態の熊を早く楽にしてあげたいという気持ちが強かった。腕をもがれた熊はただただ眼前にいるノエルを打倒そうと血を噴出させたまま迫って来ていた。

「……すみません……っ!!」

 ノエルは腕のなくなった方面から頭を目がけて再び回し蹴りを放った。その足先は正確に頭を捉えその頭を吹き飛ばしていった。頭を失った体はその場に崩れ落ち、自らの出す血の海に沈み動かなくなった。

「…………」

 相手は魔物とはいえ一つの命をノエルは奪った。その事実を心の中で整理するのに苦労した。世界の安定という目標のために魔物との戦いは避けては通れない。日々魔物との戦いが繰り返されるこの場にみんなは常に立っている一方でノエルは常に死と隣り合わせの空間に送り出し、帰りを待つだけの存在だった。そのことに後ろめたさを感じ始めていた。

「……ネレイスさん……」

 特に自らの創り出した存在であるネレイスは誰よりも戦地に立つことが多かった。結果そのせいだけではないのだがSkyBlueメンバー内でネレイスの負傷、死亡回数は飛び抜けて多かった。ネレイス自体無茶が好きなせいもあるのだが、ノエルもそれを止めないことも問題だったのだろう。ノエルは改めて自らの生み出したネレイスの強さとネレイスへの申し訳なさを強く感じた。

「……次に向かいましょう」

 少し気持ちを落ち着かせノエルは次の任務地へ向かっていった。



「……ノエル様の加勢で大分仕事が減ってきました……これならそろそろ私たちだけでも処理できるかもしれません!」

「……ハイペースだな……大丈夫か……?」

 ノエルの加勢によりSkyBlue個々のメンバーの負担は大分軽減されてきたようであり、比較的余裕が出始めてきていた。ラヴィスも連戦続きで疲れた体を休ませている最中であった。

「……ノエル様がこんなスピードで戦えるなんて思ってもみませんでしたぁ……」

「……ノエル様の戦闘能力は侮れない。攻撃する瞬間に力を集中させ相手を一撃粉砕する……力の無駄遣いなく敵を倒す事ができる。防御の時も攻撃を食らう瞬間に力を集中させることで無効化する……・正直“ちゃんと”戦えればSkyBlueメンバー内でもトップクラスの実力は持っている……」

「ちゃんととはどういう……?」

「……ノエル様は“その力を自覚して使っていない”。そしてその力はあまりにも強大……まだ戦場での経験もないノエル様にその扱いはまだまだ難しいだろうから……」

「……そうですかぁ……」

 ラヴィスはただただノエルの心配をしていた。戦場でノエルの内に眠る神秤テミスの力の暴走により過熱状態に陥ればその瞬間に命はないだろう。その危険が常につきまとう中で出撃を許可したネレイスもそれだけが気がかりでこっそりと精霊を偵察につけているくらいである。何かあればすぐにノエルのところに飛んで行くということも言っていた。

「……なにも無ければいいんだが……」

「あ、新しい報告が3件入りました」

「……ん、仕事か……じゃあ……」

「……ってこれノエル様が向かった座標ですよ!」

 入った報告内容を確認していた管制官が何かに気付きにわかに慌て始めた。

「……ん?3件全部か?」

「そうではなくて!そのうちのノエル様が向かった1件がマズイです!」

「……何があった?」

 その報告を聞いたラヴィスも一瞬で顔つきが変わった。

「……相手は複数……しかもSランクの魔物です……」

「……ネレイス!」

 その報告を聞いてラヴィスは真っ先にネレイスと連絡を取った。

「……っく!何?ラヴィス」

「ノエル様が危険だ。すぐ援護に行け!」

「……ゴメン……今は無理……」

「どうしてだ!?」

 先程ノエルの危機に真っ先に駆けつけると言っていたネレイスのその答えにラヴィスは少々声を荒げてしまった。

「無理もないですよ……ネレイスさんは今SS-1ランクの竜種と交戦中なんですから……」

「……あたしが今ここで動いたら被害は拡大しちゃう……ノエル様の救援は当然行きたいけど……」

「……分かった、その竜種は我が引き受ける。お前はすぐにノエル様の所へ向かえ!」

「……ありがと……」

 そう言うとラヴィスは真っ先にネレイスが交戦している地点へと向かっていった。

「ネレイス!」

「ラヴィス、ゴメン……多少弱らせてはおいたけどまだまだ力は大分残ってるから気をつけて」

 竜種と交戦していたネレイスは相当長い連戦と今回の強力な竜種の相手で大分疲弊しきっていた。服も乱れ体中にはあちこち傷も見えたがそれでもなんとか戦線を維持しているような状態であった。正直このままノエルの救援に行かせるのも心配な状況である。

「……分かった、行ってこい!」

 それでもノエルの安全が第一である。2人はそう言葉を交わしネレイスはノエルの加勢へ、ラヴィスは竜種の討伐へと動き出した。





「……うっ……流石に分が悪いでしょうか……」

 一方のノエルは既に交戦を始めていた。最初にいたのは小鳥のような魔物が2体。特に苦戦せず倒せると思っていた矢先にノエルが来たことに気付いた小鳥が鳴き声を上げると巨体を誇る親鳥と思われる魔物が2体増援として現れていた。実戦経験のないノエルにとって1対多数の相手をするのはまだまだ不安があった。

「……とりあえず数を減らさなくては……」

 しかし援護は期待できない。まずは敵の数を減らすべく2体の小鳥に狙いを定めた。

「的は小さいですが……当れば!」

 辺りを飛び回るように動く小鳥の動きを止めようとノエルは手を翳した。するとその手から風の刃が飛び出していき前方を切り裂いた。直撃こそはしなかったものの今の一撃で相手の動きを制限できそうであることは分かった。

「……次は……決めます!」

 ノエルは今度は手からではなく足から風の刃を生み出した。そしてそのまま地面を蹴るとその瞬間にテミスの力でものすごいスピードで接近をしていった。その前方に風の刃から逃れようとした小鳥が飛び込んできた。

「まずは1体!」

 スピードをそのまま生かして放った蹴撃は小鳥をいとも簡単に吹き飛ばした。

「……行ける!」

 もう1体の小鳥も視界に捉えたノエルは風の刃で翼が傷ついていることに気付くとテミスの力で跳ねるように接近し、素早く背後に回り込んだ。翼が傷つき動きの鈍い小鳥はノエルの動きに対応できずその後軽く一蹴されてしまった。

「……ここまでは何とか……」

 あっさりと小鳥を2体蹴散らしたノエルであったが、その後が大変だということは分かっていた。残った親鳥は巨体でありながらも俊敏で、体力も攻撃力も非常に高そうであった。

「……ここからが勝負ですね」

 再びノエルが構えを取り直したところで悠然と動いていた親鳥の1羽が飛びあがった。その動きに一瞬気を取られたがもう1羽が近づいてきていることにも気付いていたためそちらの方を迎え撃とうとした。

「……きゃっ!」

 しかし飛びあがった方が着地をした際に起きた衝撃でノエルはバランスを崩した。そこにもう1羽からの乱れ突き攻撃が飛んできた。

「……っっ!」

 華奢な腕を交差させてそれを受け止めようとすると嘴が突き刺さる瞬間ごとに光が発せられ攻撃を受け止めていた。

「……相手を間違えましたね……」

 相手が複数いる場合は戦う順番を誤れば命を落としかねない。それを身をもって経験したノエルは改めて気を引き締め直した。

「……っ!この気配……!!」

 するとそこにノエルでもすぐに分かるくらいの強い力を持った魔物が突然湧いて出た。恐らくはノエルの内にあるテミスの力に惹かれたからなのであろう。残っている鳥2羽の相手に加えてさらに3体の魔物が現れ明らかに状況は不利になっていた。

「……誰か!応答して下さい!」

 ノエルは使いなれないメンバー用の通信端末で必死に応答を求めたが皆交戦中であったり繋がらなかったりで誰とも連絡を取れなかった。頼みの綱のネレイスも交戦中のようだったし、何より既に相当数の魔物と交戦を続けており頼るには少し後ろめたさも感じていた。

「……こんな状況でも……皆さん立ち向かっているんですよね……」

 自分もやらなくてはいけない。そう覚悟を決めたその瞬間だった。

「……ノエル!」

 聞き覚えのある声に見覚えのある姿。ノエルが一番信用しそして一番心を許している存在――ネレイスであった。

「ネレイスさん!」

「ノエル、下がって。まとめてあたしが相手をするから」

「は……は……いえ……私にも戦わせて下さい」

 安心したノエルは体から力が抜けてしまいその場に一度へたり込んでしまい一度は全てをネレイスにまかせようとしたが、直ぐに気合いを入れ直して立ちあがると加勢を申し出た。

「……あたしの心配だったら大丈夫だよ」

「……ネレイスさんが平気でも私からすれば心配です。それに……私もしっかりと闘えるというところを示しておきたいですから」

「……そっか……くれぐれも無理はしないで、行くよ!」

「はい!」

 こうして加勢に来たネレイスと共にノエルは再び戦闘を始めた。ネレイスの加勢によって状況は一気に好転、ノエルの高い戦闘能力も十分に発揮できたことでこの場の鎮圧は無事完了したのだった。

「……ふぅ……」

「……ノエル……凄いね……」

「……私も……こんなに戦えるだなんてびっくりです」

 戦いの後ネレイスとノエルはしばらく休息をとっていた。ラヴィスに任せた竜種もその後各地の魔物撃退を続けてきたメンバーが次第に合流していき、無事撃破できたという報告が先程入っていた。観測所からも魔物発生報告が沈静化し、今回の魔物大量発生はなんとか終息したようである。

「……ありがと。ノエルが出てくれたからみんな多少なりとも楽になったよ」

「そんな……私なんてまだまだ……」

「ふふ……でも何かあったらノエルも自分の身はしっかり守れそうだしこれからもたまーに出てみたらどう?」

「……頑張ります」

「ふふ……あたしがしっかりサポートするから任せて」

「はい……お願いします」

 こうしてノエルの初陣は収穫と課題の双方が得られた非常に有意義なものとなったのである。



(SSs ノエル編 完)
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

ラヴィス

Author:ラヴィス
パソコン使えないくせにブログに手を出した愚か者。
……温かい目で見てもらえるとうれしいです。

毎週月曜に大小の違いはあれど更新中です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
来客者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。