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用語集 ~精霊界まとめ編~

精霊界     Coordinate axes :S***‐**
 
 精霊界は世界各地に存在する精霊や妖精たちの集まる世界である。精霊たちは世の中の全ての物や事柄、現象等に関係するとされ、その規模は小さなものから世界を揺るがすような大きなものまで、そして精霊自体もその姿形大小など様々であり、全世界の精霊を集めればその数は四界でもトップクラスであろう。
 しかし精霊界ではかつて初代女王の時代に魔界の手により“負の気の呪い”をかけられてしまい衰退を続けていたのだが、この危機を救ったのが現精霊界女王のネレイスである。
 それ以降の精霊界は他の四界に追いつかんとするばかりに繁栄を続ける。精霊界の繁栄はネレイスの力なくして実現しない。そう思った神界側から“精霊界での仕事を優先しても良い”との意向を受けているためにネレイスはSkyBlueの仕事と精霊界女王の仕事、この二つを見事に両立させている。
 精霊界の発展に天界も関わっていたことから天界との関係は非常に良好である一方、滅ぼそうとしてきた魔界には相当の嫌悪感を持つものが多い。因みに冥界とはネレイス周辺のものが関わることがあるくらいで、関係はほぼないに等しい。

精霊界砲

 自身のもつ魔力と周囲の魔力を一点に集中させ照射することで直線状に凝縮した魔力を解放する攻撃。その内容はほぼ神界砲と変わりがなく対魔族に対しては絶大な威力を発揮することが期待されるため魔界鎮圧作戦に備えて第10代精霊界女王ネレイスが神界のノエルより伝授された対魔族における奥の手として習得した。流石にノエルの繰り出す神界砲と比べればその威力は見劣りしてしまうもののそれでも十分な威力を誇り、幾多の場面で活路を見出すために使われている。なおアロー・オブ・ラピュタと呼称される神界砲に対して精霊界砲はガラティーンと呼称されている。

正の気・負の気

 すべての生物が持っているとされている特殊な力であり、その本質についてはよく分かっていないことも多いが、正の気は幸せを招き負の気は不幸を招く。幸福や愛情などの感情が正の気を増幅させ、嘆きや憎しみなどの感情が負の気を増幅させるというようなことが一般的に知られている。
 基本的に正の気が過剰になることによって弊害は生じないが、負の気が過剰になると軽度のもので軽いめまいなどの症状が現れることがあり、重度になれば動くことすらもままならなくなり死に至ることも少なくない。そのことが顕著に表れたのが精霊界での事例である。精霊界は魔界の策略により負の気の呪いをかけられることとなったが、それにより多数の精霊がその姿を保てなくなり消滅していった。結果長きにわたり精霊界は衰退を続けることになったのだった。


精霊

 万物に備わる事象を司る存在・・・・・・と本来は何やら仰々しい定義がされているが、一般的には自然の力を操る存在として知られており、その姿形や種類などは多種多様で、精霊たちは顕界で命が尽きた植物や人を除く動物たち、さらには風や岩といったものが新たな存在として生まれ変わることでなると言われている。
 精霊たちはそれぞれ地、水、火、風、氷、雷、光、闇のいずれかの属性を持っており、そのいずれかの力を行使することができる。生まれたばかりの精霊は基本的に使える力が弱いか強大な力を持ちながらその力を上手く使えないかのどちらかであり姿も小さいが、成長することで強大な力を扱える立派な精霊へとなる。
 精霊界を主な居住区としているが顕界にも人口以上の精霊が住んでいるとされており、顕界での精霊発見報告も挙げられている。しかし基本的に精霊は慎重で人を怖がる傾向にあるので遭遇することは困難であり、遭遇できたとしてもすぐに逃げられてしまうだろう。中には好奇心旺盛な精霊や姿を見られても堂々としている精霊もいるが、そういった場合丁寧に接してあげるとよい。邪な気持ちがあると特に堂々とした精霊からは人よりはるかに強い力を持っているので散々な目に遭うことになるだろう。

八理守護精霊

 精霊は“契約”と呼ばれる儀式を行うことで最大限の能力を発揮できるようになる代わりに契約者に対して絶対の服従をすることになる。八理守護精霊は精霊界女王と直接契約を交わした各属性の精霊を代表する者に贈られる名であり、各属性の力の源である精霊玉というものを守護するという任を与えられる。
 現在の八理守護精霊は

地底の覇者
慈水の女王
火炎の帝王
旋風の三賢
蒼零の勇士
紫電の中核
陰陽の女神
暗黒の番人

と呼ばれている者たちである。

地の精霊

 八理の中で大地の力を司る精霊のことであり、精霊界の北部に居住区を持っている。大地のある所には必ず何かしらの地の精霊がいるとされているので大気の薄い所や水のない所にも生息している。また地の精霊の派生系である植物の精霊も分類上では地属性の精霊になるため、地の精霊は地、水、火、風の基本4属性の中でも最も多い。
茶色や褐色といった土を思わせる色や灰色といった岩を思わせる色をした元来からの地属性の精霊はゴツゴツした者や荒々しい性格の者が多い一方、植物の精霊はカラフルな見た目とのんびりした性格をした者が多く派生した2系統で大きく異なる特徴を持っていることが多い。植物の精霊側の代表である植物界の女王、フローラも黄色の着物に赤い袴の華やかな姿で地の精霊管轄区内の一角を占める植物界内にある農園長として日々日向ぼっこをしながら昼寝をするなどおっとりのんびりした精霊として精霊界全体によく知られている。その一方元来の地属性の代表、地の八理守護精霊である地底の覇者は土竜のような見た目をした可愛らしい地の精霊一族ノームの長が務めている。性格はいい加減で面倒臭がりであり、八理守護精霊の職務はフローラがやってくれている面もあることから職務を全うしてるとは御世辞にも言えない実態である。過去にもノーム本人が何度もネレイスに八理守護精霊の位をフローラに譲りたいと願い出ていたようだがネレイスは全く応じてくれていないという。その理由は定かではないが、ノームはネレイスのことを精霊界女王であること以上に特別な畏怖の念を持っていることが関係していると思われる。

ウンディーネ族

 ウンディーネ族は水の精霊の中でも代表的な存在であり、人間の上半身に魚の下半身というその姿は一般的にマーメイドと呼ばれるものと同じである。主な棲み処は海洋であるが、元来人間との関係は良好なことから人々との交流も盛んである。そのウンディーネ族の長を務めているのが八理守護精霊、慈水の女王と呼ばれるエメローネである。精霊界誕生前から今まで生き続けている数少ない精霊であり、初代女王の代から変わらず精霊界を支え続けてきている。強力な水の力と立派な三叉槍を扱いその実力も十分で人との関係の良さから一時期精霊界女王にとの声も挙がったが、本人のあくまでも女王を支える立場であり続けたいとの思いから今も八理守護精霊の位にとどまっている。勿論現女王ネレイスからの信頼も厚く、精霊界女王代行を務めるネールと合わせて重要な仕事を任せられている。

火の精霊

 火の力を司る精霊たちの総称であり、精霊界の西部一体に居住区を設けている。燃え盛る炎を思わせる赤や橙色をした者がほとんどであり、炎そのものだったり炎を模した部位などを持つ動物のようなものだったりとその姿は幅広くその性格もまた炎のように熱く激しい。大半の精霊は非常に好戦的な精霊であることも知られており、人間に対しても容赦をせずに攻撃を仕掛けてくる場合が多いので注意が必要である。しかし裏を返せば仮にこれら火の精霊の力を借りることができれば非常に心強い存在となってくれることであろう。
 そんな火の精霊を束ねる八理守護精霊は初代の八理守護精霊に就任し輝かしい功績をあげた伝説の精霊イフリートにあやかり代々イフリートを名乗っている。現在のイフリートは3代目であり、猛る炎の力を宿した両の拳は全てを灰燼に帰すほどの力を誇っている。その性格も猛々しく歴代の精霊界女王に対しても物怖じすることなく意見を述べてきていたという。ネレイスに対しても当初は“所詮は人間風情”と見ていた節もあるが、精霊界が課した試練の際にネレイスと戦いその圧倒的な力と精霊界を任せるに足る素質をその身で感じ取って以降はネレイスを“最高の主”と認めネレイスのためにその力を振るい続けている。

風の精霊

 風の力を司る精霊たちの総称であり、精霊界での居住区は南部にある。風の精霊のほとんどはかなり上空まで行ける飛行能力を有しているものが多く、そのせいもあってか見た目が鳥のような者が目立っている。また風ではなく大気そのものを生み出すことをしている精霊もおり、大気のある世界には大抵存在していることもあってか八理の中でも地属性に次ぎ数が多いとされている。空の広さに似た大らかで寛大な性格の者から嵐のように荒れ狂った性格の者まで様々な風の精霊たちを取りまとめているのが八理守護精霊、旋風の三賢であるシルフィードである。
 三賢と呼ばれるだけありシルフィードはしっかり者でまとめ役の長女、勝ち気で直情径行の次女、おっとりしてはいるが心が強い三女の3姉妹の精霊で、そのコンビネーションは精霊界でも随一と言われている。慈水の女王エメローネと並び初代精霊界発足当初から女王を支える古参の精霊であり、かつて精霊界と魔界が仲の良かった時代を知る数少ない生き残りでもある。

氷の精霊

 その名の通り八理のうち氷の力を司る精霊であり、精霊界の北東部一帯を占め地、水、火、風の基本4属性の次に数が多いとされている。精霊たちは総じて寒色系統の色味だったり透明感のある見た目をしているものが多く、その美しさは精霊界の中でも随一と謳われている。氷は冷たいという印象から氷の精霊たちの性格もクールなものが多く、容易に人間を認めることはしない面もあるため、氷の精霊を使役できる人間はかなりの能力を持っているとして高い評価を受けている。そんな氷の精霊からは過去に3回も精霊界女王を輩出しており、そのいずれも精霊界の中では非常に高い評価を得てきた。そして現在の氷の八理守護精霊は蒼零の勇士と呼ばれるアルルである。精霊界女王がネレイスになってからしばらくした後に八理守護精霊に就任し経験は最も浅い存在ではあるものの、その冷静沈着な対応と精霊たちの指揮能力、そして八理守護精霊の中でもトップクラスだと言われている戦闘能力で他の八理守護精霊やネレイスからも一目置かれている。彼女がここまでの力を持っているのは彼女が八理守護精霊に就任する前のことが大きく影響しているが、そのことを知っているものは精霊界の中でも極わずかである。

セルシウス

 ネレイスが精霊界女王となった当初に八理守護精霊を務めていた氷の精霊であり八理守護精霊の中でも比較的長く務め、精霊界女王に対する忠誠心は随一だと謳われていた。というのも八理守護精霊となり精霊界女王と契約する前には何度か人間の前に屈服し契約を行っていたことがあったが、彼女を存分に扱えた人間は1人としていなかったために人間を見限り、当時5代精霊界女王となった氷の精霊を支えたいと思い立ち八理守護精霊に立候補していた過去がある。そのためネレイスに対してもかなり厳しい目を向けていたような節もあったが、敬愛していたフェリアの子であることもあったことから影ながら支えていく優しさも持っていた。ネレイスが精霊界にかけられた負の気の呪いを解くとセルシウスも最高の主として認めてネレイスに仕えて尽力していたがある日突然後任の精霊に八理守護精霊の位を譲ると忽然と精霊界から姿を消してしまった。その真相についてはネレイスも口を開こうとしない。

雷の精霊

 雷を司る精霊たちの総称であり、精霊界では南東部に居住区を置いている。避雷針のような鋭い部位に雷エネルギーを溜めているもの、雷のエネルギーをその身に宿したもの、そもそも雷エネルギー自体のもの。このあたりが主な雷の精霊に見られる特徴であり、また体色は黄色や青白色、紫といった色が目立っている。精霊たちは主に精霊界言語を用いてコミュニケーションを取っているが、そのほとんどは人間には聞こえることはないかもしくは聞こえても理解不能な内容である。その中でも雷の精霊は精霊たちの中でも非常にコミュニケーションが取りづらいことで有名である。というのも雷の精霊は生物的と言うよりは非生物的で物質的なものが多く、コミュニケーションも音声的なものよりは雷の精霊らしく電気信号によって取っているためである。そのため雷の精霊を使役することはかなり難しいとされている。
 今の八理守護精霊である紫電の中核ヴォルテックもその例外ではなく、強力な雷の力を有したコアを守るようにゼリー状の衝撃吸収体が包んでおり、その姿は非常に特異的である。雷の力そのものとも言えるヴォルテックにも発声器官は存在せず雷エネルギーを用いてコミュニケーションを取っている。ネレイスも当初はヴォルテックの言語を理解するのに相当苦労をしたようだが、ネレイスの精霊界女王としての潜在能力と精霊界の至宝の力もあって現在ではヴォルテックとも問題なく意思疎通を図ることができるようになったようだ。ヴォルテックは周囲の雷エネルギーを吸収することでその大きさはどんどん膨らんでいき、その力を解放することで放たれる雷の力は傍にいたネレイスの髪の毛が逆立ってしまったほどの圧倒的な力であるという。因みにネレイスはヴォルテックのことを“ヴォルト”と短い名前で呼んでおり、精霊界では“ヴォルト”の名前で広く知られている。

光の精霊

 精霊界の南西部に居住区を持つ光の力を司る精霊。精霊界の中でも希少属性に入り、基本属性ではない氷、雷、光、闇の中でも闇に並び数が少ないとされている。光の精霊には大きく分けて陰と陽の2種類が存在していて、それぞれが夜と昼に活動をしている。昼に活動する精霊は暖かく優しくも時に激しい光を、夜に活動する精霊は冷たくも静かで美しい光を放ち、それぞれがそれぞれの時間の光の精霊管轄で活動をしている。2種類の光の精霊がいることから光の八理守護精霊も2人存在しており、それぞれ陽光の精霊ルーチェ=ソラーレと陰光の精霊キャロディ=ルナと呼ばれている。陽光の精霊ルーチェは暖色系のグラデーションがかかったドレスに太陽を模した杖を掲げ、陰光の精霊ルナは寒色系のグラデーションがかかったドレスに月を模した杖を携えている姿が特徴的でその容姿はとても美しい。特に陰光の精霊ルナは落ち着いた大人しい性格もあってか精霊界内でも屈指の人気を誇っている。陽光の精霊ルーチェはネレイスに似て明るく接しやすい性格で人気があったことからネレイスが即位した際に新しく陽光の精霊として任命をされた。というのもルナが光の精霊に任命される経緯だったり、在任中の様々な苦労があったことでルナ1人で活動するには負担が大きすぎたためである。ネレイス即位前のルナを知る精霊は"今のルナは以前のルナとは見違えるほど美しく明るさも出た"と言うほどの変化の裏には対となるルーチェの存在とネレイスの計らいがあるのだろう。

闇の精霊

 闇を司る精霊たちの総称であり、精霊界北西部一帯を闇の精霊管轄区とし居住区を設けている。黒を基本とした暗い色を持つ精霊が大半で、大きく分けて“闇”の一族と“影”の一族がいるとされる。闇という力の特性上あまりいい印象を持たれないことが多く、現に人間に対しては害悪をなす存在に近いが別に人間を毛嫌いしているわけではない。
 闇の精霊については知られていないことが非常に多い。現在の闇の八理守護精霊である暗黒の番人も非常に謎の多い存在である。闇の精霊の数がまだまだ少なかった時代に“影”の一族の長をやっていた経験があり、精霊の数がようやくある程度まで回復した時に月光の精霊ルナと共に八理守護精霊に任命されたということは分かっているがその他のことははっきりわかっていない。黒いもやのような形をしているがその大きさは定まっておらず、本当にそれが本体なのかすらもはっきりしていないし、“影”の一族の長時代の話、さらにはそれ以前の話も一切不明、挙句の果てには本名すらも分かっていない。そんな暗黒の番人は第10代女王ネレイスと新しく契約をする際に“RIO”という名前をつけてあげた。この“RIO”とは“Rex Infinitus Obscuritas”の頭文字から取ったもので簡単に言えば“終わりなき暗黒の王”という意味を持っており、当の本人も非常に気に入っているようだ。

時の精霊

 精霊たちはそれぞれ地、水、火、風、氷、雷、光、闇のいずれかの属性を持っていると精霊の所に記載はあるが、精霊界設立当初にはこれら8種の属性の他に“8属性のいずれにも属さないもの”と“8属性全てを併せ持つもの”の2つの“失われた属性”と呼ばれるものがあったとされている。このうち“8属性のいずれにも属さない”属性は“時”であり、この“時”の力を操れる精霊を時の精霊と言う。
 かつては精霊界にも生息していたが、時の力はあまりにも強大すぎるものであったために習得は非常に困難であり、習得できても使いこなすことのできる精霊はごくわずかであった。しかしそのごくわずかにしかいなかった時の精霊も精霊界が負の気の呪いをかけられた際に全て消失してしまったとされており、現在の精霊界にこの時の精霊は生息していない。しかし実際は精霊界が負の気の呪いに包まれた際に時の力を使い“時の向こう側”と呼ばれるところに避難をして以降そこで静かに暮らしているということがネレイスの時代に明らかになり、今はネレイスと時折コンタクトを取っては精霊界の繁栄のために力を尽くしてくれているようだ。

理の精霊

 “失われた属性”のうちの1つで“8属性全てを併せ持つ”属性である“理”の属性を操れる精霊のことであり、精霊界設立当初は他の属性に勝るとも劣らない数が生息していたが、精霊界に負の気の呪いがかけられた際に全滅してしまったとされてきた。というのも理の精霊は8属性全ての力を併せ持つ代わりに身体的には非常に脆弱であったために負の気の影響も強く受けてしまうという性質があったからである。
 そして今現在精霊界に存在する理の精霊はただ1人、それが現精霊界女王ネレイスである。彼女が持つ“癒しの気”という能力が理の精霊が持つ固有の能力であることから彼女が理の精霊であることが分かったのだが、何故彼女が全滅したはずの理の精霊になれたのかは謎の残る部分であるとされている・・・・・・

精霊界八理竜

 精霊界は無数の精霊たちの住む世界であるが、精霊と一口に言ってもその種類は多種多様であること、そして自然の力を操ることができる存在であることは精霊の項目でも述べている。このことから精霊界では竜族も自然の力を操る存在であることから精霊として生活をしている。竜族は一般的に自然に与える影響がものすごく大きいことから、八理の力をそれぞれ有している竜族の中でとりわけ強大な力を有する者を八理守護精霊に負けず劣らずの地位を持つ八理竜の位に任命をし、八理守護精霊の補佐などを行わせている。
 この八理竜は現精霊界女王ネレイスが制定、任命を行ったものであり

地 岩窟竜
水 海王竜
火 灼獣竜
風 翠刃竜
氷 雪姫竜
雷 紫尖竜
光 輝翔竜
闇 厄災竜

それぞれ以上のようになっている。個々の竜には他の同系統の竜に比べて決定的な差異が認められるが、その決定的な差異に関しては各属性竜の項目を参照して頂きたい。

地竜

 地竜は地属性を司る竜族であり、黄土色から黒褐色の体色を持ち頑丈な体躯と表皮を持っている。また竜族の中でもその生命力は随一とも言われている。そのほとんどは地中や洞窟内に生活をしているようであり主に土や岩、金属、鉱物などを主食としているようである。
 そんな地竜の中で最高齢とされる存在がフェルゼンヘーレと呼ばれている地竜であり、これが八理竜の岩窟竜である。茶灰色の乾ききった岩肌のような体色をしており、動かなければただの岩山にしか見えない。また勿論その表皮も尋常じゃないほどの硬さを誇っている。性格は非常に頑固であり自分の意見は頑なに押し通すために少々煙たがられることも多いが、年長者を敬うことのできるマーキュリーに対しては孫のように可愛がる姿も目撃されていることから単に頑固一辺倒でない面もあるようだ。

水竜

 水竜は水属性を司る竜族の総称で、そのほとんどは“首長竜”に属している。すべすべした水の膜に覆われたその体は法撃に対して非常に高い抵抗性を持っている。湖や河川、海と淡水海水に関係なく広い水辺に生息し主に魚や木の実を主食としている。性格も温厚な者が多く扱いも比較的簡単なことから観賞用として乱獲されていた過去があり氷竜ほどではないものの数が減っていたが現在では持ち直しているようである。
 水の精霊界八理竜に任命されたのは海王竜と呼称されるオケアノスである。オケアノスは水の八理守護精霊エメローネに古くから付き従っていたペットのような存在であり非常に従順である。体長も通常の水竜よりは大分大きくその巨体を生かした海洋での戦いは無類の強さを誇ると言う。エメローネの命が絶対であるがある程度の実力がある者であれば柔軟に対応できることからもかなりの切れ者であるらしく闇のアドヴェルサーに次ぎ精霊界内でも評判の良い精霊界八理竜であるようだ。

火竜

 火竜は火の力を操ることから火を噴く一般的な竜として広く知られている。精霊界で火竜と呼ばれるものは基本的に翼を持たない(翼を持つ竜は“翼竜”というくくりに分けられる)ものであり、大きな体にしっかりとした四肢は非常に力強く、人々の間では長らく畏怖の対象となったり崇拝の対象となったりと特別な対象となっており、火竜のこういった性質から竜全体も精霊の仲間として考えるようになった経歴がある。
 個体数も非常に多い火竜の中で八理竜の位を勝ち取ったのは灼獣竜と呼ばれているブルチャーレ・ベルヴァである。火竜特有のがっちりした四肢とはかけ離れた細くしなやかな四肢を持っており、灼熱の炎を纏いながら俊敏に動きまわる姿が特徴的である。荒々しい性格の多い火竜の中でもさらに凶暴であり異質な見た目と相まって火竜の中でも煙たがれているがその力は本物であり、暴れまわった際にはネレイスでも手を焼くという。

風竜

 風竜は風の力を操り大空を自由に翔る竜族である。一般的な“翼竜”と同じように立派な翼を持っているが翼竜よりさらに飛行に長けた形をしており、体長もさらに大きいことから荷物を運搬するのに非常に役に立つ。エミリオの愛騎アキオスもこの風竜であり、荷運びをする者が最終的に乗りこなしたい存在として見られている。こうして人が乗ることもできることから風竜自体さほど気性が荒くないことも知られている。
 通常の風竜は緑色系統の色で風の抵抗を抑えるように流線系のフォルムをしていることが多いのだが、その中で非常に異彩を放つ風竜がいる。それが八理竜の1体である翠刃竜ジャーダ・ラーマである。眩いばかりの銀色に翡翠のような淡い緑みがかかった体色に風竜の特徴とはかけ離れた刃のようなフォルムをしており、空を切り裂きながら飛ぶ姿は勇ましくもあり恐ろしくもある。性格は勇猛であり、八理竜であることを誇りに思っている。それ故若干他者を認めにくい一面もあるが、認めた者に対しては忠義を尽くしてくれる。

氷竜

 その名の通り氷の力を司る竜族を指す。体色は薄い青から白色をしており、よく見られる火竜などとは違い強靭な体や威圧感のある格好ではなく、薄めの鱗に覆われた体のところどころから温かそうな毛を生やしたどちらかというと可愛らしい姿をしている。
 性格も非常に温厚で人との関わりが苦手な者が多い。そんな性格と美しい姿から過去に毛や鱗の収集を目的とした乱獲被害に遭って一時は極わずかにまで数を減らしてしまっていた。そんな氷竜の窮地を救ったのが後に八理竜となる雪姫竜の存在である。氷竜特有の温かそうな毛並みがなく、下半身をは美しいドレスのような鱗を纏ったその竜は数を減らした氷竜のとこへと嫁ぎ沢山の子を産み守り抜いていった。その結果氷竜の数は以前と変わらない数にまで回復し、その功績が認められて八理竜となった。そしてこの雪姫竜こそ魔竜の血に侵食されたルミナスの実の娘、マーキュリーである。

雷竜

 雷の力をその身に宿す雷竜は黄色のものから紫、青白い体色をしたものまで多岐にわたっている。体色からは他の属性の竜とさほど変わりがないが、バチバチと帯電していることと針のような表皮をもっていることが最大の特徴である。気性の荒い者が多く同じ雷竜同士であっても火花を散らしながら喧嘩をしている姿がよく目撃されており、体中傷だらけの個体もよく見られている。
 その雷竜の中でも最強と目されているのが紫尖竜ウィオラケウス=トニトルティオであり、魔竜のような黒紫色の体色で頭から伸びる4本の長く鋭い針のような蓄電器官が非常に特徴的である。雷竜らしく気性が荒く八理竜に任命する際にもネレイスが非常に手を焼いたと言われている。ただその際に体にあった蓄電器官を何本か叩き切られて以降ネレイスには頭が上がらなくなったらしく唯一指示に従う存在になっている。

神竜

 神竜は光の属性を持つ竜族であり、光を反射する真っ白の鱗が最大の特徴である。勇壮な姿に純白の鎧をまとったかのようなその姿は非常に美しく、他の竜族や人間たちをも魅了している。しかし温厚で荒事が苦手な氷竜とは違い強大な力を惜しげもなく発揮するためになかなか手をつけることはできず乱獲されるような事態には至らなかった。
 精霊界八理竜となった輝翔竜フルゲオアーラには通常の神竜よりも格段に立派な翼があり、この翼で空を飛ぶことができる。光の精霊管轄区に棲んでいるとされているが精霊界全域でその目撃報告があり、毎日精霊界中を飛び回っているものと考えられる。おおらかで包み込む優しさのある女性体で同じく女性体の八理竜であるマーキュリーをとても可愛がっており、また他の八理竜に対しても好き嫌いなく接することができる唯一の八理竜である(そのため一部の八理竜からは苦手とされているらしい)。また輝翔竜と共に昼寝をするフローラの姿も目撃されていることからフローラとも仲がいいものだと思われる。

魔竜

 魔竜は闇の力を司る竜族であり、本来は決して邪な存在ではない。ただ闇というものの性質上魔竜は忌み嫌われる存在とされてしまい、そのせいもあってか世界にって害をなす存在となってしまうものも少なくないという。黒紫色から黒の体色を中心とした強靭な体躯を持ち、性格も非常に好戦的なものが多いとされている。そして基本的には光の差さない建物や洞窟内に潜んでいることが多い。
 一般的にはそう言われている魔竜だが、精霊界に所属している魔竜は比較的大人しい又は自らの力の大きさを知ってかひっそりと隠れ住んでいるような者が多い。ネレイスから八理竜に任命された厄災竜アドヴェルサーも隠遁生活を行っている魔竜であり、その見た目は黒紫色の鱗はあちこちに無数の傷ができ、中には鱗が剥がれ落ち赤黒い表皮が見えてしまっている部分もあるなんとも痛々しい姿である……とここまでは普通にそこらにいるボロボロの魔竜と大差はないが、一番の違いは体の大きさである。普通の魔竜はせいぜい頭の先から尻尾の先まで10~15m程度であるが、厄災竜のそれは1kmを超える桁違いの大きさなのだ。というのもこの厄災竜は精霊界が誕生する遥か前から生き続けているためであり、精霊界の中で最も長寿である。厄災竜の持つ力は絶大であり、精霊界はおろか神界すらも滅ぼしてしまうと言われている。そのため精霊界闇の精霊管轄区最深部にある“闇の深淵”と呼ばれるところにその巨体を横たえ静かに暮らしているという。

フェリア

 精霊界の第8代女王であり、どんな精霊に対しても分け隔てなく接し、自らの力を精霊界のために使ったことから“博愛のフェリア”という名前でも知られており、現精霊界女王ネレイスの母親にあたる。負の気の呪いにより衰退を続ける精霊界をなんとかしたいというその気持ちはどの精霊よりも強く、ノエルに精霊界の救世主と言える存在の創造に協力を打診された際には迷うことなく承認し精霊界内の根強い反対を押し切る形で人間との間にノエルと約束した精霊界の救世主たる存在を生み出し、その後すぐ負の気の呪いによって消滅をした。ネレイスが精霊界へとやってくる前は“精霊界を破滅に追い込んだ愚王”というレッテルを貼られてしまっていたが、精霊界を救う素質を持っていたネレイスがフェリアの子であることを公表してからはその偉大なる功績を称える声が精霊界各地で聞こえるようになったという。

(以下反転文字)

精霊界でも転生技術が発達しており、八理守護精霊クラスともなれば仮に消滅させられても転生により再び活動できるようになれる。この転生技術が確立した最初期、一番最初に実験台として転生されたのがフェリアであった。元来体の弱い理の精霊であったはずのフェリアは負の気の呪いがかけられた際にかなりのダメージを受けることとなったが消滅することはなかった。というのも転生前のフェリアは“魔界から最後に渡ってきた精霊”であり、他の精霊に比べて負の気に対する抵抗性が高かったためである。そしてフェリアは魔界で弟と妹と呼べる存在と暮らしていたという。もし仮に精霊界と魔界が再び共存できるような時代がやってくるにはこの“弟と妹”と呼べる存在の力が必要になるだろう。

ネール

 精霊界の第9代の女王として精霊界を治めてきた賢王。8代女王フェリアの時代から彼女の下で仕事をしてきたのだが、フェリアが望んでいた人に精霊界の将来を託すというやり方には当初から反対を続けており、たびたびフェリアと衝突する場面もあったという。そのためフェリアが精霊界から失踪した際にも捜索部隊を編成、指揮し、フェリア亡き後は混乱する精霊界を立て直すために自ら女王の名を名乗り、精霊界を安定させるところまで持っていったあたりその手腕は相当なものであったと考えられる。そして在任期間中ネレイスと出会いその素性と素質をすぐに見抜き、女王の位を存命のうちにネレイスに譲った。そのため在任期間は歴代女王の中では最短ではあるものの、現在も忙しく精霊界を留守にすることの多いネレイスの代わりに代行女王として精霊界での職務に就いている。

霞露のネージュ

 もともとは単なる氷の精霊の中の1体であり、レインの母親と契約を行って力を貸していたと言われている。その証が今レインが母親の形見として使っている氷柩杖グラスセルレイユである。プライドの高い者が多い氷の精霊としては珍しい物腰の柔らかい精霊でありレインの母親のために尽くしてきたのだが、その中でレインの母親が抱えてきた苦しみを和らげてあげることができなかったことを心苦しく感じていた。そのためレインの母親が自ら命を絶つ際にそれを止めようとして力を使い果たし消滅してしまったとされており、精霊界の記録上でも既に亡き者となっている。

(以下反転文字)

 しかしルミナスが感じ始めたレインの違和感を調べるためにネレイスが調査を進めたところ、この霞露のネージュがまだ存在していることが分かった。そしてこの霞露のネージュがレインの母親である可能性が非常に高いことが判明した。どうやらレインの母親に力を貸していた霞露のネージュが自殺したレインの母親に自らの存在を譲り渡したようであり、レインの母親が新しく霞露のネージュとして誕生したのだろう。そして霞露のネージュとなったレインの母親が自身の子供のために動いていることが昨今のレインに起きている奇怪な行動の要因のようだ。

盲目の精霊

 精霊は人間から迫害を受けていたものが少なくはなく、それにより体や心に大きな傷を負うこととなった者もいる。そのため目が見えないという精霊も当然ちらほらといるわけであり、珍しくはない。そのためこのように“盲目の精霊”と呼ばれる存在はとりたてて特別であったと思われる。
 盲目の精霊は精霊の中でも特別な存在である“生前人間であった者”だと言われており、精霊が大好きで精霊に愛されていた存在だったようである。どのような経緯で精霊になったかまでははっきりしていなかったが、その当時から目が見えていなかったようである。目が見えてなくても理の精霊として不自由なく暮らしていたのだが、負の気の呪いに包まれた際に再び深手を負ったらしく、その際のダメージが“盲目の精霊”をより一層特徴づけることとなったようである。
 ボロボロになりながらも生き残った“盲目の精霊”はその後神界に引き取られ手当てを受けた。その際に顔は完全に布などで覆われてしまい、その下の表情などをうかがい知ることはできなくなってしまった。今は神界で暮らしているようだが、何をしているのかははっきりしていないようである。しかし同じく神界に渡った精霊界出身者の中でノエルの近くで働いているというような話が出ているようである。

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パソコン使えないくせにブログに手を出した愚か者。
……温かい目で見てもらえるとうれしいです。

毎週月曜に大小の違いはあれど更新中です。

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